道を究めし者は、一生を修行で終える
手品をマジック = 魔法として楽しむボクとしては、種明かしなんて必要無いと思うし、仕組みを知りたいとも思わない。
奇術というアメイジングな技を披露してもらい、そのひと時に酔いしれることこそ、マジックの最良最高の楽しみ方だと思っています。
だから、そのネタ、種明かしをすることは魔法の力を否定することになり、見る者、特に子供たちから夢を奪うことにもなりかねない。
『中の人』が居ることは分かっていても、アクターが衣装を着ずにやるヒーローショーを見て、ちびっ子たちは喜んで楽しめると思えるのだろうか?
それだけでも、他のマジシャンからマジックに対する背信行為だと思われても仕方ない。
「同じように見えちゃって。」
ボクはこの業界の事はよく知らないけど、このテのセリフはその道の神髄を知らない若造がよく口にする言葉です。
彼らのデビューは早かった。
それゆえにプライドもあるだろうし、キャリアを積んできたという自信もあるだろう。
だがその一方で、自身のキャリアと知名度に慢心しているのではないかと思う。
イリュージョニストのギネス最年少記録を持ち、外国でも演技を披露したが、今から思えばそれは技術よりも、最年少という目新しさからだったからではないか。と思えてならない。
なによりこういうセリフは、マジックキャッスルなど一流の舞台でロングランするようになってから言うといい。
オリジナルと言いながら簡単に種明かししてしまえるのは、それが自分たちが苦労を重ねて開発したモノではないからだ。
借りモノや元からあったモノにちょっと手を加えただけのモノ。
自分達でもそう思っているからこそ、簡単に種明かし出来るのだ。
どうせなら、完全オリジナルで、まだ誰もやったことの無いモノを披露して、それを種明かしすればイイ。
何年も研究を重ね、いつやっても成功出来るだけの練度を積んだシロモノを。
そういうものを簡単にネタばらしできるものなら、ぜひやって頂きたい。
他のマジックと自分たちのマジックが同じように見えてしまうのは、自身の表現力の足りなさからではないか。
他のマジシャンも同じネタを使いながら、お客さんを楽しませるために色んな魅せ方を研究している。
それを、やれマンネリだ、ありきたりだ、と言ってしまうのは、彼ら自身がマジックに興味を無くしているからではないかと思う。
仮に彼らが、今のマジックをありきたりでつまらないと思っているなら、つまらないのは彼らのマジックの方ではなかろうか。
そして、キミたちのマジックをつまらなくしているのは、恐らくキミたち自身だよ。と言ってやりたい。
干されかけている「てじな〜にゃ!」山上兄弟